コウノトリブログ

巣立ったコウノトリはどこへ行く?

今年は全国で56羽、豊岡市内だけでも27羽のコウノトリが巣立ちました。繁殖したペアは25ペアにもなり、今年最も早く孵化したのは3月13日(推定)、最も遅かったのは6月6日と、長い期間に渡って繁殖しています。
その中で今年最初の巣立ちは5月30日で、巣立ちをしてから3ヶ月が経とうとしています。豊岡市内のヒナ達はすでに巣立ちを終えました。今、そのコウノトリたちはどうしているのでしょうか。

6月上旬に豊岡市出石町の森井巣塔から巣立ったJ0276の行動を見てみましょう。
6月中旬、巣立った巣塔近くの田んぼで、兄弟のJ0277と一緒にエサをとっていましたがうまく取れない様子。近くにいる親にエサをもらっていました。

7月中旬になると、自分でエサが取れるようになっていました。親鳥も、自立を促すためエサを与えていません。
8月上旬、J0276の姿はコウノトリの郷公園の公開ケージにありました。公開ケージの飼育個体への給餌のおこぼれを狙ってエサをとっていました。
8月10日を最後に、J0276は公開ケージで見られなくなっていましたが、8月14日、滋賀県高島市で10羽以上のコウノトリと共に行動しているのが確認されました。その集団の中には、豊岡市内で巣立った幼鳥も数羽含まれていました。幼鳥がまれに集団で長距離移動をするということはこれまでもあり、今回もそうした集団移動だと思われますが、まとまって移動する理由はよくわかっていません。「ちょっと羽を伸ばして、いろんなところを見てみようかな」という探求心からくるものでしょうか。仲間と旅をし、新しい景色に触れ、楽しんでいるのかもしれません。
 
今、私たちは移動に躊躇する生活が続いています。そんな中でも、コウノトリたちは自由に、いろんな場所に飛んで行っています。新しい場所で、新しい出会いがあるといいですね。

※本記事はコウノトリ市民科学(https://stork.diasjp.net/)、コウノトリ市民レンジャーブログ(https://blog.goo.ne.jp/kounotori-b)でのコウノトリ目撃情報を参考に作成いたしました。

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