コウノトリについて

コウノトリは水辺に住む肉食性の鳥で、日本に住む鳥の中では最大級の大きさです。

分類

【分類】
目:コウノトリ目 Ciconiiformes
科:コウノトリ科 Ciconiidae
属:コウノトリ属 Ciconia
種:コウノトリ  C.boyciana
【学名】Ciconia boyciana(キコニア・ボイキアナ)
【和名】コウノトリ
【英名】Oriental White Stork

コウノトリの見ためはツルと似ており、サギともよく見間違われますが、分類上は全く異なります。
ツル:ツル目ーツル科
サギ:ペリカン目ーサギ科(2012年にコウノトリ目サギ科から変更)

大きさ

くちばしから尾までの長さ(全長):約1.3メートル
両翼を広げた長さ(翼開長):約2.2メートル
体重:約5キログラム

カエル、小魚、昆虫などの小動物を主食としています。
飼育下では1日約400500gの餌をたいらげる大食漢で、餌となる生きものがたくさんいる場所でなければ暮らせません。

すみか

コウノトリは、木の上に枝を組み合わせて直径約2メートルの巣をつくります。
そのため、数羽のコウノトリが乗っても壊れない丈夫な大木が必要です。
昔の日本ではアカマツの大木がよく利用されましたが、今では適した大木がほとんどなく、主に人工巣塔に巣を作っています。

繁殖

鳥の中ではコロニーと呼ばれる集団営巣地を形成する種類がいますが、コウノトリはコロニーを作りません。
コウノトリのオス・メスには相性のようなものがあり、お互いが気に入らないと夫婦になりません。嫌いな相手が近くにいると、とがったくちばしで傷つけてしまうことさえあります。
夫婦になるまではそれぞれ一羽で暮らすので、結婚相手を見つけることが難しいのです。 しかし一度ペアになると、その絆は深く、一生を共に過ごすと言われています。

産卵後は、交代で卵を温めます。約1カ月でふ化し生まれたばかりのヒナは人間のこぶしくらいの大きさです。誕生から約2カ月で、巣立ちの時期を迎えます。そのころには、成鳥したヒナは親鳥と同じくらいまで大きくなっています。

鳴き声

コウノトリは身体の成長に対して、あまり発声器官が発達しないため、身体が大きくなると鳴きづらくなります。そのため、ヒナのころの一時期を除いて鳴くことがなくなります。
では、コウノトリはどうやってコミュニケーションをとるのでしょうか?
その方法は、上下のくちばしをたたいて「カタカタ…」と音を出すことです。これをクラッタリングといいます。このクラッタリングにより威嚇(いかく)や愛情表現などを行い、鳴き声と同じ役割を果たしています。

オスとメスの違い

コウノトリのオスとメスは、見た目では違いがわかりません。
一般的にはメスに比べ、オスの方が大きな体をしていますが、個体差があり、判別は難しいです。
兵庫県立コウノトリの郷公園では、血液からDNAを採取してオスとメスの判別を行います。
野外のコウノトリでは、ヒナの巣立ち前、個体識別の足環をつける際に血液を採取しDNAの検査をしています。

コウノトリはどんなところにいる?

コウノトリは人の暮らしのすぐ近くで生活する鳥です。水田など、水深が浅く、生きものがたくさんいる湿地を好んで餌場にしています。
豊岡では、そのような水田の近くにコウノトリが営巣するための人工巣塔が立てられており、春になるとコウノトリが子育てを始めます。繁殖期以外にも、稲刈り後の水田にバッタやイナゴを食べに来ます。稲が高いなど水田が採餌に向かない時期には、水田ビオトープや川の浅瀬などを餌場として利用しています。

コウノトリを放鳥してから15年以上が経過し、コウノトリは私たちの生活に溶け込んでいます。
一度は日本の空から姿を消したコウノトリが日常の風景の中にいる豊岡へぜひお越しください。

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