コウノトリブログ

アカガエルの産卵が始まりました


暖かくなる日が増え、市内のいくつかの巣塔ではコウノトリが巣作りを始めています。今年もいよいよ繁殖期に入ります。そうしたコウノトリの動きはもちろん、様々な生きものが、春の訪れを教えてくれます。そんな生きものの一種が、人里周辺の山林で生活するアカガエルです。

アカガエルは2月ごろから産卵を始めます。天敵であるヘビやゲンゴロウ類がまだ冬眠しているので、食べられるリスクがとても少なくなります。また、4月から7月ごろにかけて産まれるトノサマガエルやアマガエルなどのオタマジャクシもいないため、餌をめぐる競争率も低くなります。つまり、安心して成長するチャンスなのです!

アカガエルの卵は、小さな卵が集まって1つの大きな「卵塊」となるため、簡単に見つけることができます。毎年、田結湿地や市内のビオトープでは、市民の方々による卵塊調査が行われ、「今年はめちゃめちゃ多かった!」「これまでは産んでなかったあの場所に卵塊があった!」などの報告があり、今年もすでにたくさんの産卵報告があります。

アカガエルが産卵する場所は、生息している山林の近くにある水田や素掘りの水路など、水の流れのない湿地環境です。そのため、生息場である山林と、産卵場である湿地環境の両方がしっかり確保されていなければ繁殖できません。アカガエルが毎年産卵するためには、里山周辺の木々や植生を保全するとともに、産卵場所である湿地環境を保全していくことが必要です。

ヒグラシの初鳴きやホタルの初見、サクラの開花といった季節の観測と同じく、アカガエルの産卵は春の訪れを確認する目安になります。これからも、サクラの開花より一足(一目?)早く春の訪れを感じられるよう、里山の環境を保全していきましょう。

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