コウノトリブログ

元飼育員のコウノトリブログ① 5月18日 庄境人工巣塔(三江小学校内の人工巣塔)の雛の足環装着

写真① J0704と刻印された黒の金属リングをリベットピンで留めます

2024518日、兵庫県立コウノトリの郷公園は、豊岡市立三江小学校内にある庄境人工巣塔で成育している1羽のヒナに足環を装着しました。

なぜ野外コウノトリに足環を装着するの?

それは、1羽1羽のコウノトリを見分けるため(個体識別)に取り付けます。(写真①)個体が見分けられることで、どこに移動したのか、どの個体同士がペアになったかなどコウノトリの野生復帰を進める上で重要な様々な情報が得られるからです。

私は昨年まで兵庫県立コウノトリの郷公園で飼育員をし、野外個体の足環装着を担当していました。足環装着の作業は、先ず巣(巣の高さは約12m  写真②・③)まで高所作業車で上がり、巣にいるヒナを捕獲して地上に下ろします。

写真② 高さ約12mの巣まで高所作業車で上がります

写真③ ヒナの捕獲や巣に戻すのは、人が直接作業します

地上で足環の装着と性別などを判別する検体を採取し、巣へヒナを戻します。そして、親鳥が巣へ帰ってきたことを確認して、足環装着作業は終わりとなります。足環装着は、捕獲する際にヒナが巣から落ちないか、捕獲後は、ヒナがストレスや気温上昇などで体調をくずさないかなど体温などを計りながら(写真④ 体温計測)安全に作業を進めます。

写真④ ヒナの体温が上昇していないか確認している様子

今回装着した足環は、黒色に塗装された金属リングにJ0704と刻印されたものを、両足に取り付けました。今回装着したヒナの体重は4.9kgで成鳥のメスの体重(4kg5kg)と変わらないほど成長している大きなヒナでした。

この巣塔でのヒナの巣立ちは2020年が最後で、実に4年ぶりの巣立ちが期待されます。ヒナは、5月終わりころから少しずつジャンプする姿が見られると思います。そのような姿を写真に収め、皆さんにこのブログで報告したいと思います。

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