豊岡市内には、3カ所の自然共生サイトが認定されています。
そのうちの一つが、「コウノトリ育む中筋の里地里山」です。
このサイト内にある市立加陽水辺公園は、湿地保全活動や自然体験活動の拠点施設となっています。
公園内には池やビオトープなどの湿地環境が整備されており、地域の方々と協力して管理を行っています。
そして、この池やビオトープは、様々な人・生き物が利用しています。
その利用者をご紹介します。
公園内にあるビオトープや池は、生物多様性の保全に一役を担っています。
一方で公園の池にはアメリカザリガニやウシガエルなどの外来種が入り込み、在来生物の生息を脅かしています。
コウノトリ共生課では、生物多様性の保全を図るために、定期的に捕獲罠(以下「罠」)を設置して、外来種の駆除を行っています。
これまで、普段は罠を設置してから数日で回収していましたが、今回は、7月に罠を一週間ほど長く設置し、捕獲数が増えるか試行しました。

結果としては、3日程度で回収した場合と大きく変わりませんでした。
餌の質や持続性に改善の余地はあると思いますが、一部故障気味の罠があり、逃げ出している可能性もありました。次は罠も変えて再チャレンジしたいと思います。
罠には、在来種のギンブナやスッポンが入っていました。
在来種は池に戻し、アメリカザリガニとウシガエル(オタマジャクシを含む)は駆除しました。

外来種駆除作業中、加陽水辺公園内のKDDI株式会社と一緒に造ったビオトープにコウノトリがやってきて、盛んにカエルなどを採餌していました。
コウノトリの主な採餌場所は、田んぼを含む湿地や川、草丈の低い草地などですが、7月下旬の田んぼは、稲が伸びてコウノトリが採餌場所として利用しづらくなります。
そのため、コウノトリは、ビオトープなど餌が取りやすい場所をよく利用しています。
ビオトープは、豊岡で暮らすコウノトリを下支えしていると改めて感じることができました。
豊岡市では、休耕されている水田をビオトープにする委託事業をしています。

このビオトープは、コウノトリだけでなく「コウノトリKIDSクラブ」でも利用しています。
コウノトリKIDSクラブは、市が主催する環境学習のクラブです。コウノトリとその生息を支える豊岡の自然について学び、発信できる子どもを育てることを目的に活動しています。
5月31日、第2回目のコウノトリKIDSクラブの活動は、加陽水辺公園と加陽区の田んぼで実施しました。
加陽水辺公園のビオトープの生き物調査では、草の影などの場所を探しながら捕まえました。
この日捕まえた生き物は、アメリカザリガニ、メダカ、ハゼ、モツゴ、スジブトハシリグモ、イトトンボ、ヒシバッタの7種類です。
短時間でしたが、たくさんの生き物を捕まえることができました!

そのあと、加陽区内の田んぼに移動し、地域の農家の協力で田植え体験を実施しました。
田んぼは、「コウノトリ育む農法」でお米を作っており、農法についても教えていただきました。
実際に子どもたちが田んぼの中に入り、横一列になって手植えで苗を植えていきました。
初めて田んぼに入る子どもたちも多く、最初は躊躇する様子もありましたが、徐々に慣れていき、最後は手際よく植えていました。
その後、田植え機の乗車体験をさせていただきました。田植え機に乗る機会がなかなかなく、貴重な体験ができたようです。
この日のコウノトリKIDSクラブの活動は、コウノトリが餌を探しに来られる「豊かな田んぼ」を守るために、自分たちに何ができるのかを考えるきっかけになったと思います。

毎年秋には、旅する蝶「アサギマダラが」が羽を休めるために訪れています。
様々な利用者(生き物)が見られる加陽水辺公園に、皆様も訪れてください。