コウノトリブログ

コウノトリ普及推進員のブログ㉙ 2025年の繁殖のふり返り -豊岡編 ①-

2026年の野外コウノトリの繁殖期が近づいてきました。
今年の新たな繁殖シーズンを見守るうえで、過去の実績を知ることが大切だと考えています。
そこで今回は、2025年の豊岡地域の繁殖実績をふり返り、結果と特徴をコウノトリ普及推進員の目でご紹介いたします。

私の印象に残る繁殖 左:庄境巣塔 5年ぶりの繁殖成功 ヒナ ふ化後9日 右:下鉢山巣塔 暑い中での繁殖 親鳥の給水シーン ヒナ ふ化後54日

【豊岡の野外繁殖実績】
2025年は18カ所でコウノトリの繁殖が確認され、そのうち13カ所で巣立ちに成功し、計35羽が巣立ちました。
この巣立ち個体数は国内全体の約24%を占めており、豊岡地域が野外個体群の維持において極めて重要な役割を果たしていることを示しています。
しかし前年の2024年と比べると、2025年の繁殖実績は減少傾向にあります。
2024年は16カ所で巣立ち43羽を記録していましたが、2025年は例年繁殖している地点が4カ所減り、新たな巣立ち地点は1カ所のみで、昨年より3カ所少なく減少が目立つ結果となりました。
また、巣立ち個体数も8羽が減少しました。
繁殖失敗の要因は様々ですが、いずれのケースも他個体との闘争が大きな影響を及ぼしていました。

2025年の新たな繁殖地点  戸島地区巣塔 ヒナ ふ化後40日

【特徴】
① 親鳥は但馬地域由来
繁殖中のペアは豊岡市、養父市、朝来市で放鳥された個体やこれらの地域で生まれた個体で構成されており、他地域からの流入はほとんど見られません。
関東地方でも同様の傾向が確認され、繁殖期にペアを形成する場合は、個体が生まれ育った地域周辺に帰ることが多いと推察されます。

② 野外最高齢の親鳥の存在
豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地で繁殖を続けているオス親「J0391」は2004年生まれの21歳。国内で最も高齢の繁殖中の親鳥です。
ほかにも2008年生まれの個体が数羽、現役で繁殖に参加しています。
野外のコウノトリは20歳までに亡くなることが多い中、2025年の全国の繁殖実績(68ペア131羽、未標識5羽を除く)では10歳以上の個体が32羽おり、そのうち過半数の16羽が豊岡に集中しています。

野外繁殖で国内最高齢の個体 戸島巣塔オス親J0391 2004年生まれ  ヒナ ふ化後50日

次回は2025年の繁殖活動で見えてきた課題に触れていきます。

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