春の訪れ ~2019年豊岡のコウノトリ繁殖状況~
2019年のコウノトリ繁殖状況をお伝えします。
兵庫県立コウノトリの郷公園によれば、豊岡市内の11巣塔で産卵推定、うち4巣塔でヒナが確認されています。
▲祥雲寺巣塔のヒナ3羽
今年はオスメスともに過去に産卵・育雛経験のない新ペアが出石町水上(むながい)区に誕生しました。このペアは97オス(4歳)と110メス(3歳)で、2017年には豊岡市出石町エリアで頻繁に行動を共にしている仲の良い2羽でした。そこで県立コウノトリの郷公園と豊岡市コウノトリ共生課職員が共同で調査を進め、行動データを収集し科学的に巣塔の設置場所を検討しました。そして、2018年2月、適地を推定して実験的に巣塔が設置されました。設置から約2か月後に巣塔はこの2羽によって利用されましたが、昨年は産卵に至りませんでした。そして期待がかかった今年、繁殖が確認されました。
全国にコウノトリの飛来が広がる昨今、巣塔適地の研究がさらに加速することが望まれます。
▲水上(むながい)巣塔で抱卵する97オス