2024年10月5日、6日の2日間、豊岡市の田結区にある大規模湿地(ブログ後半【豊岡市大規模湿地】田結湿地 参照)で、IVUSA大阪茨木クラブによるコウノトリ生息地保全活動が行われました。
1993年に設立された学生ボランティア団体(NPO)。社会にある様々な課題に対し、学生の熱意とパワーで挑戦している。
主に災害救援、環境保護、国際協力、地域活性化、子どもの教育支援の5分野を解決するために活動している。詳しくは、団体のホームページをご覧ください。
NPO法人国際ボランティア学生協会 (IVUSA)
IVUSA大阪茨木クラブは、主に大阪の立命館大学茨木キャンパスに通う学生たちが所属し、定期的にコウノトリの生息地保全活動を行っています。
今回は、6月、7月に続いて3回目となり、総勢50名が参加。地元の公民館に宿泊され、夕食時には地元の方との交流も図られました。
活動は、生き物調査と湿地整備を実施し、同日に行われていた地元の祭りにも初めて参加されました。
生き物調査は、豊岡市にある兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究課の学生が講師を勤めました。
兵庫県立大学地域資源マネジメント研究科公式サイト | 地域資源の掘り起こしと活用
生き物調査では、ドジョウ、シマヨシノボリなど魚類3種、両生類1種、コオイムシやヤゴなど水生昆虫6種、ヌマエビなどの甲殻類3種の多様な生き物が確認できました。
以前実施した生き物調査では、海に近いこともあり、豊岡市内の他のビオトープでは見られない生き物が観察されました。
今回の湿地作業は、水生昆虫や魚類等が住みよい湿地を作るため、”つぼ湯”をイメージした円形状の湿地を作られました。
上空から見るとミステリーサークルが出現したように見えるかもしれませんね。
“つぼ湯”の発想には驚かされ、泥んこになりながら2日間の作業をされるパワーに、私たちも大いに刺激を受けました。
秋祭りは、一部の学生さんが参加され、みこしをかつぐなど地元の方と交流を図りながら楽しくお手伝いされました。
代表の上仲さんは次のように話されていました。
「今回は10月5・6日の2日間にかけて活動させていただきました。湿地の整備や生きもの調査、秋祭りをはじめとする地域の方々との交流を通じ、達成感や知識を得ると共にコウノトリに関する豊岡市の取り組みや地域の方々の想いというものを改めて知ることができました。最近では実際に湿地でコウノトリを見る機会も増え、学生の関心が高まっています。今後とも団体としてできることを豊岡市で引き続き行って参りたいと思っております」
豊岡市は、引き続き生息地保全活動を応援します。
【豊岡市大規模湿地】田結湿地
IVUSAが活動されている「田結湿地」は、豊岡市に3か所ある大規模湿地の一つです。
※他の2か所は、以下を参照ください
・ハチゴロウの戸島湿地 ハチゴロウの戸島湿地
・加陽湿地 加陽湿地|インフラツーリズム ポータルサイト-国土交通省総合政策局
田結湿地は、元々水田でしたが、シカなどの獣害や減反政策などで谷まるごと休耕田となっていました。コウノトリが下り立ち採餌場所として活用したことを機に地元の方が、コウノトリの餌場としてより良い湿地になるように保全活動が始まりました。
田結湿地の生き物を見てみると、今では絶滅危惧種となった貴重な水生植物や水生昆虫が確認でき、生物多様性の観点からも重要な湿地です。
田結湿地は、ラムサール条約湿地「円山川下流域・周辺水田」エリアの一部として登録されています。
田結湿地には、人工巣塔が立てられています。
コウノトリが繁殖で使うことが待たれます!!