8月末日、豊岡市出石町日野辺にあるビオトープに、小さな子どもからご高齢の方まで、地元の方々が集まりました。足元を注意深く見ながら、みんなで一斉にビオトープ内を歩きます。「あ、いたいた!」。ピョンピョン飛び跳ねるヌマガエルやトノサマガエルを見つけて紙に記録していきます。わいわい言いながら、みんなでビオトープの「カエル調査」をしました。
2018年に策定された「豊岡自然再生アクションプラン」は、豊かな自然を取り戻すため、効果的に自然再生に取り組むための計画です。豊岡市出石町の日野辺と鳥居がパイロットエリア(試験的に取り組むエリア)となっており、自然再生に取り組んでいます。
休耕田に水を張ったビオトープづくりや、稲刈り後の水田にわざとトラクターのわだちを残すことで水が溜まりやすくなり、水生動物が生息できるようになる「わだちマルチトープ」づくりなど、様々な取り組みが行われています。
カエル調査を行った場所も、1年前までは休耕田でした。地元の方がビオトープにされた場所が、生きものたちの生息場所になっているかを確認することが今回のカエル調査の目的の一つでした。
「子供のころはよく生きものを捕まえとった。大人になってからは捕まえたことないから、新鮮やったな。」
「もう少し生きものがおると思ったんだけどなー。」
「水を入れるだけで、草だらけだった場所にカエルやゲンゴロウ、魚まで来ることがわかった。こういう場所が増えればもっと生きものも増えるんだろうな。」
豊かな自然を取り戻すために取り組んだ効果をみんなで実感しました。豊岡自然再生アクションプランの実践エリアは今後も広がっていきます。もっともっと生きものが増え、かつてコウノトリが悠然と空を舞っていたころの豊かな自然が戻るよう、取り組みを続けていきます。