コウノトリ普及推進員のブログ㉒ 今シーズンの繁殖 -兵庫県編-
前回のブログでは、「今シーズンの繁殖 –全国編–」と題し、国内の野外コウノトリの繁殖をまとめ、課題や特徴について書かせていただきました。
今回は、兵庫県の野外繁殖について報告いたします。
《2025年 兵庫県内の野外繁殖状況》
兵庫県内では、6市町26カ所で産卵・ふ化がありました。(近親婚2例は集計から除く)
その内、無事に巣立ちを迎えた繁殖地点(以下:巣立ち繁殖地点)は18カ所(全国54カ所)、巣立ちした個体は48羽(全国145羽)となり、全国の1/3(33%)に上ります。
県内一覧表
また、新たな繁殖地点は、上郡町、新温泉町、豊岡市の各1地点合計3カ所が増え、いずれも人工巣塔での営巣でした。県内では、コウノトリが地域へ飛来してその周辺に居つくと、自分たちの地域にもコウノトリが繁殖してほしいと願う有志の方が人工巣塔を建てられるケースがあり、コウノトリもその思いに答えるように建てられた人工巣塔で営巣することが多いです。人の思いにこたえてくれるコウノトリの行動は、人がコウノトリに引き付けられる魅力の一つとなっています。
上郡町または新温泉町の写真 提供:コウノトリ市民科学
但馬地域(兵庫県北部)の3市2町の中で、香美町だけコウノトリの営巣実績がありません。香美町でもコウノトリに繁殖してほしいと願われ方が人工巣塔を建てられています。近い将来、この人工巣塔でコウノトリが営巣してくれることを願っています。
香美町人工巣塔の写真 使ってよいか浜本さんに聞いてみる